家にあるルワンダの本を洗い出してみた。(歴史・ジェノサイド・紛争処理など)
こんにちは。@africa_iiyoです。
過去の記事はこちら↓
今回はルワンダに関する本の紹介と簡単なレビューをしていきたいと思います。既に読まれた方もいるかもしれませんが、1つでも読んでくれたら嬉しいです。
(どさっ。て音が聞こえてきそう。笑)
- ❶松田素二編「アフリカ社会を学ぶ人のために」世界思想社、2014年
- ❷小倉充男編「現代アフリカ社会と国際関係 国際社会学の地平」有信堂、2012年
- ❸ 太田至、遠藤貢編「アフリカ潜在力2 武力紛争を越える せめぎあう制度と戦略の中で」京都大学学術出版会、2016年
- ❹ 服部正也「ルワンダ中央銀行総裁日記」中公新書、2016年
- ❺ ジャン・ハツフェルド「隣人が殺人者に変わる時 加害者編 ルワンダジェノサイドの証言」、かもがわ出版、2014年
- ❻ ロメオ・ダレール「なぜ世界はルワンダを救えなかったのか PKO司令官の手記」風行社、2012年
- ❼ 米川正子「世界最悪の紛争『コンゴ』ー平和以外何でもある国」創成社新書、2010年
❶松田素二編「アフリカ社会を学ぶ人のために」世界思想社、2014年
価格:2,484円 |
(おすすめ度:★☆☆☆☆)
該当箇所:第5部希望を学ぶ 3紛争処理 阿部利洋
「アフリカの紛争処理を学ぶ」は矛盾?/ 現代の紛争と移行期正義/南アフリカのTRC/ ルワンダのガチャチャ/対話とローカル参加を制度化する
アフリカ初心者におすすめ。図書館で借りてみましょう。
❷小倉充男編「現代アフリカ社会と国際関係 国際社会学の地平」有信堂、2012年
(おすすめ度:★★★☆☆)
該当箇所:船田クラーセンさやか 「解放の時代」におけるナショナリズムと国民国家の課題ールワンダを事例として
<目次>
はじめにールワンダの現在と虐殺後18年の課題
第1節 アフリカの脱植民地化における解放と主体
1 世界が夢見た解放と思想/2誰による何からの解放か?/3 三つのナショナリズムへの植民地権力と冷戦の影響
1 エスニシティの形成と領域の画定/2 脱植民地化におけるナショナリズムの勃興/ 3 暴力化するナショナリスト同士の対立 /4植民地権力にもたらされた騒乱後の体制変動/ 5 集団間の衝突
おわりに 「解放の時代」における国民国家体制とアフリカの課題
教科書として実際に使用した本です。ルワンダの虐殺に至るまでの過程、植民地時代の統治体制などしっかりかけているのでお勧めです。
❸ 太田至、遠藤貢編「アフリカ潜在力2 武力紛争を越える せめぎあう制度と戦略の中で」京都大学学術出版会、2016年
キーワード:ガチャチャ 紛争処理 移行期正義
(おすすめ度:★★★★☆)
該当箇所;第3部 移行期正義の諸相ーローカルレベルから国際社会の次元
第9章 <和解をもたらす正義>ガチャチャの実験ールワンダジェノサイドと移行期正義 佐々木和之
<目次>
1 ルワンダ虐殺後の移行期正義
2 ガチャチャの歴史的及び政治的文献
(1)ルワンダ紛争の複雑性(2)大虐殺の被害者と加害者(3)内戦終結後の政治状況
3 ガチャチャの概要ー修復的特徴に焦点を当てて
(1) ガチャチャの概要 (2)ガチャチャの修復的特徴
4十分に生かされなかった修復的特徴
(1)消極的な住民参加 (2)疑問視される自白と謝罪の真実性(3)交易労働刑と「再統合と和解」の乖離(4)失望を招いた賠償・補償プログラム
5ガチャガチャは和解をもたらしたのか
(1)ガチャチャの修復作用と分断作用(2)修復的潜在力を発揮できなかったガチャチャ
佐々木教授によるガチャチャ裁判の評価関して書かれています。研究者としてだけではなく、REACHという団体の設立にも参画されています。
❹ 服部正也「ルワンダ中央銀行総裁日記」中公新書、2016年
キーワード ルワンダ経済 金融 銀行
(おすすめ度:★★☆☆☆)
ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版]【電子書籍】[ 服部正也 ] 価格:886円 |
難しいのであまりお勧めしません。金融や経済に詳しい人にとっては面白いかも。
❺ ジャン・ハツフェルド「隣人が殺人者に変わる時 加害者編 ルワンダジェノサイドの証言」、かもがわ出版、2014年
キーワード 加害者心理 証言 ジェノサイド
(おすすめ度:★★★★★)
https://www.amazon.co.jp/隣人が殺人者に変わる時-加害者編-ジャン・ハッツフェルド/dp/478030685X
一番読んでほしい本。ルワンダのジェノサイドにおいて、加害者の大半は一般人でした。なぜ彼らが隣人を殺めてしまったのか?その要因がこの本で垣間見れます。
❻ ロメオ・ダレール「なぜ世界はルワンダを救えなかったのか PKO司令官の手記」風行社、2012年
(おすすめ度:★★★★☆)
ジェノサイドに最も早く気づき、国際社会に助けを求めた人。しかし、国際社会は動かず、悲劇が起こりました。かれはジェノサイド語に自殺未遂も起こしています。
ルワンダのジェノサイドを深く知らないと、アクターが多すぎて読みにくいですが、おすすめです。私も春休み中に読み直そうと思います。
❼ 米川正子「世界最悪の紛争『コンゴ』ー平和以外何でもある国」創成社新書、2010年
キーワード 難民 コンゴ民主共和国 RPF
https://www.amazon.co.jp/世界最悪の紛争「コンゴ」-創成社新書-米川-正子/dp/4794450427
(おすすめ度:★★★★☆)
なぜルワンダの紹介でDRCコンゴに関する本を紹介するのか。そう思った方、ぜひ読んでみてください。ルワンダとコンゴ民主共和国ー2つの国は密接に関係しています。
この記事を読んで、ルワンダにぜひ行ってみたいと思った方、一度行ってみてください。ジェノサイドが起こった国なんて信じられないはずです。治安もよく、食も充実し、千の丘に魅力され、カフェやサファリまでもある。観光目的で訪れたならば、ルワンダの魅力に虜になるはず。
そして、訪問した際にはぜひKigali Genosaide Memorial等の資料館や虐殺の爪痕が残る場所にも行ってみてください。
Kigali Genocide Memorial – A place for remembrance and learning
少しでもジェノサイドを知ってくれる人が多くなって欲しいという願いを込めて。
ルワンダの大虐殺のような事が二度と起きませんように。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
むらかみ