ージンバブエー徹底的な野党への弾圧、経済活動の弾圧:2008年に5000億%のインフレかつて英雄と呼ばれた前ムガベ大統領が生み出したジンバブエの混乱
2017年、11月21日37年間政権に居座ったロバート・ムガベが辞任した。国軍の反乱等により世界がジンバブエ情勢を注視する中、幸い平和に政権が交代した。次期大統領は副大統領だった与党ZANU-PF、エマーソン・ムナンガグワ氏。
かつては白人スミス政権より独立を勝ち取った男として賞賛され、英雄と称えられた。しかし、ハイパーインフレを止められずジンバブエ経済は破綻した。(2008年には5000億%のインフレを記録し、100兆ドルまで登場した。)
もう1つ紹介したいニュース。野党「民主変革運動」(MDC)のツアンギライ(65)党首14日亡くなった。ムガベの長年の政敵で何度も暗殺未遂にあった人物である。
与党ZANU-PFが長年政権に居座る一方で野党MDCは徹底的に弾圧されてきた。ロバート・ゲストという「エコノミスト」の特派員として活躍した記者の本を読みながら、ムガベ時代のジンバブエ政治の闇に迫っていきたい。
家にあるルワンダの本を洗い出してみた。(歴史・ジェノサイド・紛争処理など)
こんにちは。@africa_iiyoです。
過去の記事はこちら↓
今回はルワンダに関する本の紹介と簡単なレビューをしていきたいと思います。既に読まれた方もいるかもしれませんが、1つでも読んでくれたら嬉しいです。
(どさっ。て音が聞こえてきそう。笑)
- ❶松田素二編「アフリカ社会を学ぶ人のために」世界思想社、2014年
- ❷小倉充男編「現代アフリカ社会と国際関係 国際社会学の地平」有信堂、2012年
- ❸ 太田至、遠藤貢編「アフリカ潜在力2 武力紛争を越える せめぎあう制度と戦略の中で」京都大学学術出版会、2016年
- ❹ 服部正也「ルワンダ中央銀行総裁日記」中公新書、2016年
- ❺ ジャン・ハツフェルド「隣人が殺人者に変わる時 加害者編 ルワンダジェノサイドの証言」、かもがわ出版、2014年
- ❻ ロメオ・ダレール「なぜ世界はルワンダを救えなかったのか PKO司令官の手記」風行社、2012年
- ❼ 米川正子「世界最悪の紛争『コンゴ』ー平和以外何でもある国」創成社新書、2010年
❶松田素二編「アフリカ社会を学ぶ人のために」世界思想社、2014年
価格:2,484円 |
(おすすめ度:★☆☆☆☆)
該当箇所:第5部希望を学ぶ 3紛争処理 阿部利洋
「アフリカの紛争処理を学ぶ」は矛盾?/ 現代の紛争と移行期正義/南アフリカのTRC/ ルワンダのガチャチャ/対話とローカル参加を制度化する
アフリカ初心者におすすめ。図書館で借りてみましょう。
❷小倉充男編「現代アフリカ社会と国際関係 国際社会学の地平」有信堂、2012年
(おすすめ度:★★★☆☆)
該当箇所:船田クラーセンさやか 「解放の時代」におけるナショナリズムと国民国家の課題ールワンダを事例として
<目次>
はじめにールワンダの現在と虐殺後18年の課題
第1節 アフリカの脱植民地化における解放と主体
1 世界が夢見た解放と思想/2誰による何からの解放か?/3 三つのナショナリズムへの植民地権力と冷戦の影響
1 エスニシティの形成と領域の画定/2 脱植民地化におけるナショナリズムの勃興/ 3 暴力化するナショナリスト同士の対立 /4植民地権力にもたらされた騒乱後の体制変動/ 5 集団間の衝突
おわりに 「解放の時代」における国民国家体制とアフリカの課題
教科書として実際に使用した本です。ルワンダの虐殺に至るまでの過程、植民地時代の統治体制などしっかりかけているのでお勧めです。
❸ 太田至、遠藤貢編「アフリカ潜在力2 武力紛争を越える せめぎあう制度と戦略の中で」京都大学学術出版会、2016年
キーワード:ガチャチャ 紛争処理 移行期正義
(おすすめ度:★★★★☆)
該当箇所;第3部 移行期正義の諸相ーローカルレベルから国際社会の次元
第9章 <和解をもたらす正義>ガチャチャの実験ールワンダジェノサイドと移行期正義 佐々木和之
<目次>
1 ルワンダ虐殺後の移行期正義
2 ガチャチャの歴史的及び政治的文献
(1)ルワンダ紛争の複雑性(2)大虐殺の被害者と加害者(3)内戦終結後の政治状況
3 ガチャチャの概要ー修復的特徴に焦点を当てて
(1) ガチャチャの概要 (2)ガチャチャの修復的特徴
4十分に生かされなかった修復的特徴
(1)消極的な住民参加 (2)疑問視される自白と謝罪の真実性(3)交易労働刑と「再統合と和解」の乖離(4)失望を招いた賠償・補償プログラム
5ガチャガチャは和解をもたらしたのか
(1)ガチャチャの修復作用と分断作用(2)修復的潜在力を発揮できなかったガチャチャ
佐々木教授によるガチャチャ裁判の評価関して書かれています。研究者としてだけではなく、REACHという団体の設立にも参画されています。
❹ 服部正也「ルワンダ中央銀行総裁日記」中公新書、2016年
キーワード ルワンダ経済 金融 銀行
(おすすめ度:★★☆☆☆)
ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版]【電子書籍】[ 服部正也 ] 価格:886円 |
難しいのであまりお勧めしません。金融や経済に詳しい人にとっては面白いかも。
❺ ジャン・ハツフェルド「隣人が殺人者に変わる時 加害者編 ルワンダジェノサイドの証言」、かもがわ出版、2014年
キーワード 加害者心理 証言 ジェノサイド
(おすすめ度:★★★★★)
https://www.amazon.co.jp/隣人が殺人者に変わる時-加害者編-ジャン・ハッツフェルド/dp/478030685X
一番読んでほしい本。ルワンダのジェノサイドにおいて、加害者の大半は一般人でした。なぜ彼らが隣人を殺めてしまったのか?その要因がこの本で垣間見れます。
❻ ロメオ・ダレール「なぜ世界はルワンダを救えなかったのか PKO司令官の手記」風行社、2012年
(おすすめ度:★★★★☆)
ジェノサイドに最も早く気づき、国際社会に助けを求めた人。しかし、国際社会は動かず、悲劇が起こりました。かれはジェノサイド語に自殺未遂も起こしています。
ルワンダのジェノサイドを深く知らないと、アクターが多すぎて読みにくいですが、おすすめです。私も春休み中に読み直そうと思います。
❼ 米川正子「世界最悪の紛争『コンゴ』ー平和以外何でもある国」創成社新書、2010年
キーワード 難民 コンゴ民主共和国 RPF
https://www.amazon.co.jp/世界最悪の紛争「コンゴ」-創成社新書-米川-正子/dp/4794450427
(おすすめ度:★★★★☆)
なぜルワンダの紹介でDRCコンゴに関する本を紹介するのか。そう思った方、ぜひ読んでみてください。ルワンダとコンゴ民主共和国ー2つの国は密接に関係しています。
この記事を読んで、ルワンダにぜひ行ってみたいと思った方、一度行ってみてください。ジェノサイドが起こった国なんて信じられないはずです。治安もよく、食も充実し、千の丘に魅力され、カフェやサファリまでもある。観光目的で訪れたならば、ルワンダの魅力に虜になるはず。
そして、訪問した際にはぜひKigali Genosaide Memorial等の資料館や虐殺の爪痕が残る場所にも行ってみてください。
Kigali Genocide Memorial – A place for remembrance and learning
少しでもジェノサイドを知ってくれる人が多くなって欲しいという願いを込めて。
ルワンダの大虐殺のような事が二度と起きませんように。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
むらかみ
このブログで発信したいこと。
テスト勉強が終わり、少し落ち着いたのでやるやる言って避けていたブログをはじめることにしました。
<自己紹介>
村上 未来(みき)。上智大学総合グローバル学部3年、専門はアフリカ政治、開発経済学が中心。国際協力NGOコンフロントワールドのスタッフとして活動中です。
https://www.confrontworld.org(Twitter:@africa_iiyo)
*ちなみに一般受験で今の学部に入りました!
昨年2月にベナンに行って以来、アフリカにどハマりし、先日はアフリカンフェスティバルでボランティアしたり今期の授業はアフリカ関連の授業が半分も占めていたり。。
今期取っている授業
・アフリカ文化理解と医療活動
・アフリカ史
・特講(現代アフリカ)
・演習(アフリカゼミ)
・ポルトガル圏アフリカ史
・アフリカ開発論
最初の記事は、今まで渡航したベナン共和国とルワンダ共和国の振り返りをしたいと思います。
<ベナン共和国>
(ベニンとも呼びます。こっちのほうが呼び方的には好きです。)
ベナン共和国は、西アフリカの沿岸部に存在する人口1000万人程の国で、隣国はサブサハラアフリカ最大のGDPを誇るナイジェリアです。
大学のスタディプログラムを使用して2週間滞在しました。正直、行く前は「ベナンってどこやねん!!」という感じで、全くどんなくんか知りませんでした。(情報もあまり出てこない)
座学でアフリカを勉強するだけではなくて、現地に"ナマ"で触れたく、とりあえず行ってしまえ精神でアフリカデビューしました。
(ベナン専用アカウントはこちら:@benin_benanniiyo)
ベナンは民主的国家であり、キリスト教・イスラム教・土着のブードゥー教がうまく共存し、平穏です。女性でも夜1人で歩けそうなくらい、治安がいい国でした。
しかし、平和で人々も温かくご飯もおいしい一方、、どうしても今でも引っかかるのはスラムで見た貧困と公害問題でした。
ベナンは小国で、外国資本による投資も援助も、周辺国に比べるとまだまだです。唯一の公立大学である、アボメカラヴィ大学で聞いた話では、隣国のナイジェリアからの安い農産品にベナン国内で使われた農産品が負けてしまうこともあるそうです。
バスの中から街を見ても、スラムが目立ち、学校に行っていない子供も多く存在しました。また、一番衝撃だったのはマーケットの所狭しと店が並び人々が暮らす中で、衛生環境は深刻(下水が整備されていない)、しまいにはアイスを売る商売人に「どけ」といわれるくらい、みんな必死で生活していました。
また首都コトヌーは、バイクタクシーや乗用車等、交通ラッシュが大変激しいです。しかし、乗用車・バイクに使用される道端で販売されるガソリンは違法で環境に悪く、そのせいもあり排気ガスがものすごいかったです。(ガソリンスタンドもありますが、かなり高いようです。)
また、道路のわきでごみを燃やし、その傍らで畑や牛などの家畜が飼育されている姿は本当に衝撃的でした。(それらが人間の口に入ると思うと衝撃です)ポイ捨てもひどいです。
<ルワンダ>
昨年9月に1週間滞在。ルワンダも人口は1000万人ほどで、内陸部に存在し、ウガンダやケニア等に囲まれる中部アフリカの小さな国です(ただし人口密度はアフリカで一番)。
とても涼しく、「千の丘」と呼ばれるようにどこを見ても景色がきれいで、商業施設等も多くあり、首都キガリにおいてはここはアフリカなのか?と思わせるくらい素晴らしい町でした。
1994年のジェノサイドでもたれる悲惨なイメージの一方で、ルワンダは現在政府がICT立国として推し進め、WBのアフリカビジネスランキングではモーリシャスに次ぎアフリカ諸国では第2位となっており、注目度も大変高いです。
市内にもKlabやImpact Hubのように起業を推進するためのスペースは至る所にあり、日本に帰国した後もルワンダで起業する、もしくは既に起業した、という日本人は非常に多くいました。
ルワンダのIT起業家を輩出!コワーキングスペースkLabに行ってきた | Rwanda note
本当に美しく、観光をするにも最高なルワンダにおいては、ジェノサイドの爪痕はほとんどなく、こんなにきれいな国で悲惨な事件があったなんて信じられませんでした。
そんな一方でルワンダの1994年ジェノサイドの後にコンゴ民主共和国東部へ流入してきたツチ系の人々、ジェノサイド加害者たちが原因で第1次コンゴ紛争が開始します。
ルワンダには"見せかけ”かもしれませんが平穏さが回復しつつあり、その一方でコンゴ民主共和国では”人道の危機"が起きている。
Uganda is home to 1,444,8561 refugees and asylum-seekers in total as of 28 February 2018.
— Tukundane Yonna (@TukundaneYonna) 2018年4月13日
Here is the latest operational update on the emergency response for South Sudanese @refugees in #Uganda.
For more information, please visit: https://t.co/RDPndDGjUz. pic.twitter.com/65LpdGkfQ5
最後に
アフリカは希望と可能性に溢れる素敵な大陸です。でもその中で衣食住が満たされない人もいれば、紛争下で生命の危機に脅かされる人もいる。
アフリカが好きだから、ずっと関わっていきます。少しずつ歩んでいく。
合計たった三週間。”アフリカを理解した”なんてとてもいえる期間でも経験でもないけど、知れば知るほどアフリカの魅力は素晴らしいし、行って価値観も本当に影響をうけた。
— Miki MURAKAMI/村上 未来@🇧🇯🇷🇼 (@africa_iiyo) 2018年4月15日
だからこそ、”生まれた環境”によって不利になることは間違っているし、勿論生命を脅かされることはあってはならない。 pic.twitter.com/8nBYDrGxBB
最後まで読んでくださりありがとうございました。
むらかみ