開発とスラム、その狭間で。先進国にいるあなたは何を思いますか?
こんにちは。@africa_iiyoです。今日2つ目の投稿は、忘れられなかったケニア・スラムの強制撤去に関してです。
著しい成長とナイロビ市内に広がるスラム
東アフリカのケニアといえば、成長率も芳しく、選挙後に荒れることがありますが、多くの外国資本も進出し、「アフリカの優等生」として名高いです。
しかし、その目覚ましい発展の一方で貧困層も多く、ケニア市内にはスラムが広がっています。
キベラスラムなどのナイロビ市内のスラムでは、写真のような掘っ建て小屋も多く並びます。見た目はかなりボロボロですが、彼らは貧しいながらも様々な商売を営み、学校だってもちろんあります。
スラム一斉撤去 ~ナイロビ グローバル化に翻弄される人々~
市民の約半数、150万人がスラムで暮らすケニアの首都ナイロビ。去年暮れから政府が治安対策を理由にスラムの強制撤去を一斉に始めた。街には数万人が溢れ、疲弊した出身地の農村にも戻れず困窮状態に陥っている。その背景には、これまで低賃金労働力の供給源として膨張を続けてきたスラムが、急激なグローバル化で転機を迎えている状況がある。ケニア政府は年10%の経済成長を掲げ、海外からの投資を積極的に呼び込んでいる。低賃金労働力にもスキルや専門性が求められ、増加する一方の単純労働者は、これまで以上に厄介な存在になっているのだ。スラム跡地では、中国やインド企業が再開発の参入に向け活発に動き出している。四散したスラム住民は、どう生きてゆくのか。彼らの行方を追跡する日本の医療支援NGOの活動などを通し、新興国の都市スラムが抱える問題の真相に迫る。
(番組紹介より)
それでも政府は開発のためにスラムの家屋を撤去する
授業の一環で、2012年のNHKドキュメンタリー「スラム一斉撤去 ~ナイロビ グローバル化に翻弄される人々~」を見ました。150万人の人々が住むといっても、その住民不法滞在であり、政府にとっては彼らは邪魔な存在です。「テロの首謀者が潜む」と言う表向きの理由をつけて、実際はナイロビの発展のために商業用施設を建てるために一斉撤去を開始しました。なんの通告も住民に対して事前になかったので、帰る場所がある人はともかく、身寄りのないものは路頭に迷います。
映像の中では、強制退去に対する反対運動も盛んで、ナイロビ市の警察は運動に対して実弾で対応、子供を含む死傷者まで出ました。
チャイルドドクターとして活動する男性は、「人間のやることじゃない」と、無残なスラムの家屋の跡地で嘆いていました。
実際に強制退去を見た人の反応は?
実際にキベラスラムの強制退去を見た、お二人のブログを紹介します。後者の方はケニアで孫そスクールを経営する早川千晶さんのブログです。
お二人のブログを読むと、私が感じた衝撃とは裏腹に、「不法占拠であるスラムの強制退去は当たり前のこと」と言うのが、ケニアでの共通認識としてあるようです。
加えて、ケニア政府にとってはこの強制退去は、政府にとっては「不都合な事実」であるためケニア国内では、一切報じられなかったようです。
アフリカ最大級のスラム“キベラ”の不都合な現実harukayamaguchiblog.wordpress.com
今後ますます発展するであろう、アフリカの大国であるケニア。しかし、スラムで暮らす人々は大変多く存在します。もちろん、国の経済を発展させるためには、致し方ないことかもしれない。
しかし、開発の裏にこの強制撤去があることをせめて忘れないでいたい。
追記:ナイジェリアでは2013年にこのような事件もあったようです。
むらかみ